思い出話シリーズ・金をごまかそうとする悪質景品交換所
スロ沢が学生だった約20年前の話です。パチンコかパチスロかは忘れましたが、某店で閉店近くまで打って確か13万5000円勝ちまして。景品交換所の行列に並んで、金を受け取り、その場を離れた後に金を数えたら、5000円足りないのです。
スロ沢はその頃から必ず収支を記録していましたから、13万5000円で間違いありません。「しまったな」。景品交換所で金を受け取った時はその場で数えるのが鉄則ですが、後ろに長い行列が出来ていたので、早くしなければと気兼ねして数えずに離れてしまったのです。
「今さら言ってもダメだろうなあ」。あきらめ半分で行列に並び直し、自分の順番が回ってきました。「今さら言っても遅いかもしれませんけど、さっき13万5000円分換金した時、5000円少なかったんですけど」。すぐに確認しなかった落ち度があるので、丁寧に言ってみるや否や、小窓から5000円が差し出されたのです。その瞬間に気づきました。「こいつ、確信犯だ」。そうでなければ、すぐに5000円が出てくるはずがありませんからね。
腹は立ちましたが、実質的な損害はなかったので、差し出された金を無言で受け取り、その場を離れました。それ以降、その景品交換所では、その場できっちりと金を数えるようになったのは言うまでもありません。
後日談です。当時のスロ仲間が、その景品交換所の中の人と、並んでいた客が小窓越しに何やら激しい言い争いをしていて、やがて中から柄の悪いおっさんが、木刀を手に現れたのを見たそうです。その後、どうなったのかは見届けなかったそうで、結末はわかりません。おなじように金をちょろまかそうとしてばれて言い争いになっていたのかもしれませんね。
当時のパチスロ雑誌には、悪質な景品交換所として、500円玉をわざと目立たないように引き出しの隅っこに置いておく実例が紹介されていました。客が「500円少ない」と訴えると、「ちゃんとあるだろ。よく見なよ」と言い、客が気付かなければその500円を着服するという小汚い手口だったそうです。
当時のパチンコ屋の景品交換所は、とにかく怪しげで信用ならない空間でした。今でもろくでもない景品交換所はあるとは思いますが、当時に比べると、ずいぶんまともになったと思います。